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もしも10年前にソフトバンクG株を買っていたら|配当と株価で7.24倍に

もしも10年前にソフトバンクG株を買っていたら|配当と株価で7.24倍に

「もし10年前にあの株を買っていたら、今ごろどうなっていたんだろう?」

シリーズ「もしも10年前にこの株を買っていたら」の2社目です。日本の時価総額が大きい会社を上から順に、「10年前に100株買っていたら、株価と配当でいくらになったか」を実際のデータで計算しています。

今回は、時価総額2位のソフトバンクグループ(9984)です。

前回の三菱UFJは「配当が育った」会社でした。今回は、配当はほぼ横ばいなのに、株価の値上がりで大きく増えた会社です。同じ「約7倍」でも、中身がまったく違います。

この記事で分かること:

  • 10年前に100株買っていたら、今いくらになっているか
  • 配当が毎年いくら入ってきたか(年ごとの表)
  • この10年で株価を動かしたもの
  • 配当の会社と値上がりの会社、どう考えるか

1. 計算の前提

まず、計算のルールです。

  • 2016年10月11日の終値で100株を購入
  • 配当は再投資せず、受け取るだけ
  • 税金・手数料は考えない(税引き前)
  • 株式分割は株数に反映

ソフトバンクグループは、この10年で2回株式分割をしています。

そのため、最初に買った100株は、今は800株になっています。データはYahoo Financeから取得し、2026年10月8日時点の終値で計算しました。

株価の数字だけを見比べると、分割のせいで「下がった」ように見えることがあります。株数とセットで見るのが大事です。


2. 結果:100株が7.24倍に

結果はこうなりました。

買った日 2016年10月11日
当時の株価 6,782円
投資額(100株) 678,200円
今の株数 800株(分割による)
今の株価(2026年10月8日) 6,040円
今の評価額 4,832,000円
株の値上がり率 +612.5%
10年間の配当合計 77,000円
株+配当の合計 4,909,000円
トータルリターン +623.8%(7.24倍)

67万8,200円が、株と配当を合わせて490万9,000円。約7.2倍です。

当時の株価6,782円と今の株価6,040円だけを並べると「値下がりした?」と思ってしまいます。でも実際は、株数が100株から800株に増えているので、評価額は大きく増えています。

ソフトバンクグループを10年前に100株買っていた場合の推移

① 配当が毎年いくら入ったか

次に、配当の流れを年ごとに見てみます。1株配当は、今の800株に合わせた「分割調整後」の金額です。

年 1株配当(分割調整後) 受け取った配当 年末の評価額 累計配当
2016年※ 0円 0円 776,500円 0円
2017年 5.5円 4,400円 892,000円 4,400円
2018年 5.5円 4,400円 730,500円 8,800円
2019年 8.25円 6,600円 951,200円 15,400円
2020年 11円 8,800円 1,611,600円 24,200円
2021年 11円 8,800円 1,086,800円 33,000円
2022年 11円 8,800円 1,128,800円 41,800円
2023年 11円 8,800円 1,258,600円 50,600円
2024年 11円 8,800円 1,837,000円 59,400円
2025年 11円 8,800円 3,520,000円 68,200円
2026年※ 11円 8,800円 4,832,000円 77,000円

※2016年は10月11日からの約3か月、2026年は10月8日までのデータで、どちらも1年分ではありません。2026年の「年末の評価額」は10月8日時点の値です。表はYahoo Financeのデータを暦年(1〜12月)で集計したもので、会社の決算期(3月期)ごとの年間配当とは区切りがずれます。

年間の配当は、2017年の4,400円から2025年の8,800円へ。増えてはいますが、2020年以降は毎年8,800円で横ばいです。

会社の発表を見ると、2024年3月期の年間配当は1株44円(中間22円・期末22円)で、前の期と同じ金額でした(ソフトバンクグループ プレスリリース)。2026年1月の4分割のあとは、この44円が1株11円という表示になります。

② 取得額に対する配当利回りは1.3%

直近の1年分そろっている2025年で見ると、最初の投資額に対する配当利回りは1.3%です。

10年間の配当合計77,000円も、株+配当の合計4,909,000円から見ると、ほんの一部です。この会社のリターンは、ほとんどが株価の値上がりから来ています。

③ 値動きはかなり大きかった

表の「年末の評価額」を見ると、2020年末の1,611,600円が、翌2021年末には1,086,800円まで下がっています。2018年末も、前の年の892,000円から730,500円に下がりました。

そして2024年末の1,837,000円から、2025年末には3,520,000円へ。上がるときも下がるときも、動きが大きいのがこの10年の特徴です。

7.2倍という結果は、大きな上げ下げを全部くぐり抜けて、売らずに持っていた人だけが手にできた数字です。


3. この10年で何が株価を動かしたのか

① ビジョン・ファンドの巨額損失(2022〜2023年)

ソフトバンクグループは、世界中の会社に投資して、その価値を高めることで稼ぐ会社です。主力の一つが、新興企業などに投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」です。

投資先の価値が下がると、会社の利益も大きく下がります。2023年3月期の連結決算は、純損益が9,701億円の赤字で、2期連続の最終赤字でした。世界経済の先行き懸念が強まるなか、投資先の株価下落などで、SVFで巨額の損失が出たことが響いたと報じられています(ビジネス+IT)。

2021年末から2023年末にかけて評価額が伸び悩んだのは、この時期と重なります。

② Armの米国上場(2023年9月)

流れが変わるきっかけの一つが、傘下の半導体設計会社Armの上場です。Armは2023年9月14日(米国時間)にNasdaqに上場しました。IPO価格は1株51ドルで、初日の終値は63.59ドル、時価総額は650億ドルになったと報じられています(EE Times Japan、ソフトバンクグループ プレスリリース)。

Armの技術は、スマートフォンやAI向けの半導体で広く使われています。AIブームのなかで、Armを持っていることがソフトバンクグループの評価にもつながったと考えられます。

③ OpenAIへの大型出資(2025年)

さらに大きな材料になったのが、ChatGPTを開発するOpenAIへの出資です。ソフトバンクグループは2025年12月26日(米国時間)に、OpenAIへの225億ドルの追加出資を完了し、持分は約11%になったと発表しています(ソフトバンクグループ プレスリリース)。

2025年は、OpenAIに関する報道で株価が大きく動く場面もありました(PayPay証券)。年末の評価額が2024年の1,837,000円から2025年の3,520,000円へ大きく伸びたのは、この時期と重なります。

株価が上がって投資単位が200万円を超えたことから、会社は「投資家がより投資しやすい環境を整える」ために、2026年1月1日に1株を4株に分割しました(ソフトバンクグループ プレスリリース)。

この会社の株価は「本業の売上」より、「投資先の価値」で大きく動く。それを知っているかどうかで、値動きの見え方が変わります。


4. 僕の場合:配当の会社と値上がりの会社

この結果を見て感じたのは、配当はほとんど関係なく、値上がり(キャピタルゲイン)だけで大きくプラスになっているということです。10年間の配当は合計77,000円。増えた金額のうち、配当は2%ほどしかありません。

正直に言うと、僕ならこの株と長く付き合う自信がないので、買わないと思います。僕がしたいのは、波に乗る投資より、波に落とされない投資。だから、配当を受け取りながら持ち続けられる高配当株を選んでいます。

僕は今、SBI証券の新NISAでS&P500のインデックスファンドを積み立てています。あわせて、日本の高配当株にも投資しています。

その立場から、前回の三菱UFJと比べて考えたことは3つです。

1つ目は、「同じ約7倍でも、お金の入り方が違う」ということ。三菱UFJは配当が年々増えていく会社でした。ソフトバンクグループは、配当はほぼ横ばいで、リターンのほとんどが株価の値上がりです。値上がりの利益は、売らないと手元のお金になりません。サイドFIREで「毎月の生活費の一部を投資から」と考える僕にとっては、この違いはとても大きいです。

2つ目は、値動きに耐えられるかどうか。2020年末から2021年末にかけて、評価額は大きく下がりました。投資先の損失のニュースが続くなかで持ち続けるのは、僕なら正直かなり不安だったと思います。

3つ目は、AIという大きな流れとの関係です。僕はClaudeを使ってこのブログの下書きを作っていて、AIが毎日の作業を変えていることを実感しています。ただ、「AIが伸びる」と思うことと、「特定の1社の株価が上がる」ことは別の話です。だから僕は、土台はS&P500のような分散の効いたインデックスにして、1社の結果に家計が左右されない形にしています。

このシリーズは「この株を買うべき」という話ではありません。10年という時間で、株価と配当がどう動くのかを記録して、自分の投資の考え方を整理するためのものです。

「何倍になったか」と同じくらい、「どうやってお金が増えたのか」を見ると、自分に合う投資が見えてきます。


5. 今日からできること

  • 気になる会社の「株式分割の履歴」を確認する:昔と今の株価を比べるときは、分割で株数が何倍になったかもあわせて見ます
  • リターンを「配当」と「値上がり」に分けて考える:自分がほしいのは毎年入るお金か、長期の値上がりかを整理します
  • 自分の資産の「一番下がった時期」を思い出してみる:そのとき売らずにいられたかを考えると、自分に合う値動きの大きさが分かります

6. まとめ

  • 10年前にソフトバンクグループを100株(678,200円)買っていたら、株+配当で4,909,000円、7.24倍になっていた
  • 2回の株式分割で、100株は800株に増えている
  • 配当は2017年の4,400円から2025年の8,800円へ。取得額に対する利回りは1.3%で、リターンのほとんどは値上がりによるもの
  • ビジョン・ファンドの損失で落ち込んだ時期をへて、Armの上場やOpenAIへの出資が注目された

過去の成績は、将来の成績を保証するものではありません。今回の結果は、あくまで「過去10年ではこうだった」という記録です。

次回は、時価総額3位のトヨタ自動車を取り上げる予定です。

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出典:株価・配当データは Yahoo Finance(9984.T)、データ取得日 2026年10月8日。

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資は自己責任でお願いします。

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