「サイドFIREを目指したいけど、何をゴールにすればいいのかわからない」
「投資を始めたいけど、目的がはっきりしない」
そんな人に伝えたいのは、**「投資の出発点は“目的”である」**ということです。
目的のない投資は、相場の上下に振り回されて疲れてしまいます。
サイドFIREにおける投資とは、単なる「お金を増やす手段」ではなく、
“お金を使って自由を増やす仕組み”。
この記事では、国のデータや実体験も交えながら、
サイドFIREを目指すうえでの「目的の見つけ方」と「行動の始め方」を解説します。
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1. 投資の出発点は“目的”である
金融庁の「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査(2024)」によると、
全国9,722人のうち、
• 「投資目的を明確に持っている」… 約48%
• 「なんとなく始めた」「周囲に勧められた」… 約30%以上
つまり、半数以上が目的を曖昧にしたまま投資を始めているのが現実です。
一方で、野村総合研究所(NRI)の調査では、
「目的を明確に持つ投資家ほど継続率が高く、成果も出やすい」とされています。
(出典:金融庁「顧客意識調査2024」、野村総研「個人投資家の新たな8分類とその実態」)
目的を持つことが、投資の“軸”であり、サイドFIREの“原点”になるのです。
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2. サイドFIREの目的は「お金を増やすこと」ではない
サイドFIREとは、資産収入(配当・投資)+副業収入で生活費をまかない、
働き方の自由を得る生き方。
つまり目的は「増やすこと」ではなく、
“働き方の選択肢を広げる”ためにお金を活かすことです。
目的がある投資は、相場に動じず続けられます。
• 相場が下がっても「これは10年後の自由のため」と考えられる
• リスクを取る・取らないを目的で判断できる
• 途中でブレずに積み立てられる
👉 投資を「お金を増やす行為」ではなく、「生き方を選ぶ準備」として捉えましょう。
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3. サイドFIREの3つの目的タイプ
人によって“なぜ投資するか”は違います。
代表的な3つの目的タイプを紹介します。
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①安心を得たいタイプ(セーフティネット型)
• 「もし働けなくなったらどうしよう」
• 「急な出費に備えたい」
このタイプは「不安を減らす投資」。
月1万円の配当金があるだけでも、心理的な安心感が大きく変わります。
👉 ポイント:“働けなくてもゼロにならない仕組み”を作ること。
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②自由を増やしたいタイプ(ワークバランス型)
• 「仕事は嫌いじゃないけど、時間に縛られたくない」
• 「家族や趣味にもっと時間を使いたい」
労働収入と資産収入の2本柱を作り、働く時間を減らしても生活を維持。
サイドFIREの基本形です。
👉 ポイント:“働き方の選択肢”を増やすこと。
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③自己実現をしたいタイプ(クリエイティブ型)
• 「本当にやりたいことに挑戦したい」
• 「好きな仕事を自分のペースで続けたい」
資産収入で生活の土台を守り、自由な時間を“やりたいこと”に投資。
👉 ポイント:“お金のために働く”から“やりたいことのために働く”へ。
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4. 目的を見つける3つの質問
目的は、最初から明確な人の方が少ないもの。
次の質問に答えてみると整理しやすくなります。
| 質問 | 考えるポイント |
| ① 今、一番お金で不安を感じていることは? | 不安の解消=投資の目的になる |
| ② 働き方をどう変えたい? | 時間・収入・場所のどれを優先したいか |
| ③ 1日3時間自由になったら何をしたい? | 本当にやりたいことが見えてくる |
👉 紙やスマホのメモに書き出すだけで、自分の「欲しい自由」が見えてきます。
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5. もう一つの視点:「いつ使うお金なのか?」
投資の目的を考えるとき、**“いつ使うお金か”**という時間軸も大事です。
| 使うまでの期間 | 方法 | 例 |
| 1年以内 | 現金・預金 | 旅行・引っ越し資金 |
| 3~5年 | 積立預金・短期債券 | 教育・車購入 |
| 10年以上 | 投資(株・投資信託など) | 老後・サイドFIRE資金 |
投資は「お金を増やすため」ではなく、
**“お金を使う時期に合わせて最適な場所へ置くこと”**が目的です。
👉 投資でなくても目的を果たせるなら、それも正解。
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6. 私の例:目的が変わった瞬間
僕自身も、最初は「お金を増やしたい」だけでした。
でも子どもが生まれてから、「家族との時間を増やしたい」に変わりました。
そこからは、
• 投資で“時間の自由”を育てる
• 副業で“収入の選択肢”を増やす
という2本の軸が定まりました。
目的が変わったことで、お金の使い方も働き方も自然に変わりました。
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7. 目的が決まったら“行動を小さく”始めよう
目的が明確になったら、次の3つを小さく実践してみましょう。
1. 証券口座を開く(SBI証券・楽天証券)
2. 積立NISAを設定する(月1万円からOK)
3. 1株だけ買ってみる(トヨタ・KDDIなど)
最初の一歩が一番大変。
でも、行動した人だけが「投資が動いている実感」を得られます。
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8. データが示す「目的を持つ投資家は継続できる」
野村アセットマネジメントの「投資信託に関する意識調査(2024)」では、
**投資を継続している人の約7割が“目的を明確に持っている”**という結果が出ています。
一方、途中でやめた人の多くは「なんとなく」「短期利益目的」でした。
👉 投資を習慣化できる人ほど、目的を持っている。
サイドFIREでもこれは同じ。目的が“エネルギー”になります。
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9. まとめ|目的がある投資は「ブレない」
• 投資の目的は“お金を増やす”ではなく、“自由を増やす”
• 安心・自由・自己実現、どれを優先するかを明確にする
• “いつ使うお金か”を考えて投資と現金を使い分ける
• 小さく始め、目的を軸に続ける
サイドFIREの第一歩は、「目的を明確にすること」から始まります。
それが、“お金に働かせる力”を最大化する原点です。

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